慶應卒の男三人が、東京と名古屋で企業に勤めながら、そこそこ幸せな生活を持ちつつ、歳も30代中盤に入るなかで、「このままでいいのか」と自問自答を繰り返しながら、自分たちの力で何ができるか、何かできないか(起業、NPOなど)ととにかく試行錯誤するストーリー

慶應卒の男三人が、東京と名古屋で企業に勤めながら、そこそこ幸せな生活を持ちつつ、歳も30代中盤に入るなかで、「このままでいいのか」と自問自答を繰り返しながら、自分たちの力で何ができるか、何かできないか(起業、NPOなど)ととにかく試行錯誤するストーリー

スーパーサイズ・ミーから学ぶサステナビリティの本質とは(グリーンウォッシュとSDGsウォッシュ、そしてサプライチェーンという武器)

 

 

にんじんまんです。

 

スーパーサイズ・ミー

 

言わずと知れたアメリカの映画で、

マクドナルドを1ヶ月ひたすら食べ続けるとどうなるか、を監督自身が実証実験をする映画だ。

 

movies.yahoo.co.jp

 

結論は言わずもがな、複数の医療関係者たちから


「やめたほうがいい、このままいくと死んでしまうよ」

みたいな事を言われるわけだ。

 

スーパーサイズ・ミーの続編を観てみた

 

さてこのスーパーサイズ・ミーの続編がAmazon Primeで観ることができたので、

早速息子と観てみた。

言わずもがな、息子4歳はニワトリやひよこが出ている箇所だけ興味を示し、

あとは何が何だかわからないようだったが。

 

filmarks.com

 

映画の内容としては、

  • 前回のスーパーサイズ・ミーを作ってからアメリカは変わったのか
  • いや変わっていない
  • 相変わらずファーストフードに魅了された人々だらけで
  • 肥満や病気で苦しむアメリカ人は減らない
  • そこで父の言葉を思い出す
  • 「真実を知りたければそこの一部になってみることだ」←厳密な言葉は忘れたがそんな感じの言葉だった
  • そこで自身でファーストフード店を開店させてみることにした
  • 準備していくとファーストフード店(ひいてはアメリカの食全体)に関するサプライチェーン上の問題や誇大広告の問題が浮き彫りになった

 

といったものだ。

 

スーパーサイズ・ミーサステナビリティの観点から考えてみる

 

サステナビリティに仕事で携わる身として、2つの点に注目して考えてみる。

  • 鶏肉業界における食料調達の99%が5つの大企業に牛耳られており、養鶏業者が苦しんでいること(=サステナビリティの観点から考えると、「不正取引や寡占の問題」、「人権問題」に繋がっている)
  • ファーストフード店を経営する企業は、「ナチュラル」や「フレッシュ」「シンプル」といった表現で商品をコミュニケーションするが、それらは健康を謳っているようで実際は消費者を騙していること(=サステナビリティの観点から考えると、グリーンウォッシュである)

 

前者についてはここでは特に記述するまでもないと思うが、

後者の「グリーンウォッシュ」について少し触れたい。

 

グリーンウォッシュとは、

実際はそうでないにも関わらず、広告などで環境に良いように思いこませること

 

を指す。

スーパーサイズ・ミー ホーリーチキンでは、

  • お店の外観を緑を貴重にすることでナチュラルな印象を持たせる
  • お店の入り口や窓・壁に書かれた様々な言葉が環境に対する好印象を持たせる
  • CMなどで「フレッシュ」「ナチュラル」を連発することで何だか身体に優しい物を食べた気になる

といったような表現が出てくる。

結論としては、「フレッシュ」「ナチュラル」など様々な表現は企業側の戦略の1つであり、明確な定義があるものではもちろんない。

つまりは、大した意味は持たないので消費者は注意すべし、ということだ。

 

消費者はグリーンウォッシュとSDGsウォッシュという武器を持とう

 

さてグリーンウォッシュに話を戻そう。

このグリーンウォッシュを発端にして、SDGsウォッシュという言葉も徐々にサステナビリティ界で定着してきている。

 

今やSDGsという言葉は巷に溢れてきている(実際はそんなことないかもしれない)と思うが、

グリーンウォッシュ同様に、安易にSDGsを謳うことは、実は大きな問題を抱えているのだ。

 

ideasforgood.jp

 

 つまりは、企業側は消費者にイメージを刷り込もうとして、

様々な媒体を使って自由にかつ巧妙に消費者に対してコミュニケーションをする。

 

戦略的に。

 

この状況で、消費者は裸一貫ではもちろん太刀打ちできない。

 

もちろん太刀打ちなどしなくても良い、というならそれまでだが、

本当に自分自身が、また自分の大切な家族や周りの人たちが健康に、幸せに暮らせるようにしたいのであれば、

今すぐにでも武器を持つべきである。

 

その武器こそがグリーンウォッシュ、SDGsウォッシュ、である。

では消費者はどのようにしてその企業や企業の広告・コミュニケーションを

「グリーンウォッシュかどうか」「SDGsウォッシュかどうか」を判断すれば良いのだろうか。

 

 

サプライチェーンにこだわることがあなた自信を守る第一歩だ

 

慶應卒三人ブログの仲間Pokotaくんが別の記事で書いてくれているように、

サプライチェーンがわかりやすい判断材料の1つになる。

 

keiosotsuno3nin.hatenablog.com

 

ワインの場合は、原材料がどこから調達され、どこで製造されて、どのように保管され運ばれてきたかという、サプライチェーンについての情報が、どうやら付加価値となるらしい。他にも、無農薬の野菜を例にあげると、生産者の農家が何度も破産しながら、苦労して作った野菜の方が、なぜか価値を感じる。本当は、破産していない農家の方が経営が上手いはずなので、そちらの商品の方が品質がよさそうだが…。

 いずれにせよ、そのようなストーリーが商品の価値を向上させる。(仮に、ストーリーが嘘であったも、お客さんが信じていれば高く売れる。例えば、メイドイン・スイスの高級時計は、パーツ単位で見ると、ほぼ中国製らしい)

 

 

 

ここに大きなヒントがある。

 

サプライチェーンとは、簡単に言うと

「商品の誕生から消費まで(ひいては消費からさらに先の再生産や廃棄まで)の流れ」

のことで、例えばハンバーガーで言えば

 

  • ハンバーガーのパンや肉、野菜はどこで作られた小麦を誰が作り、どこをどう経由して今手元にあるのか

 

といったように、手元にある商品の人生を考えることに他ならない。

私たち消費者はこのサプライチェーンを頭の片隅に置いて商品を選び、消費していく必要があるのだ。

 

 

実際に、食品に限らず、衣料品やデジタルデバイスまでもが、

サプライチェーンの透明性を明らかにする時代に入っている。

(詳しくはまた別の記事で書ければと思っている)

 

私たち消費者は愚かだ。

しかしながら愚かながらも裸一貫ではこれからは戦っていけない。

悪徳企業に搾取されて終わりだ。

 

そう、武器を持とう。

誰もが持てる武器、それがグリーンウォッシュ、SDGsウォッシュ、サプライチェーンという3つの言葉だ。

 

私達も新人になろう

インターネットの出現で様変わり&変革された産業である

広告業界」と「小売業界」だが

米国GDPに占める割合は各々1%、6%の計7%になる。

(出典元が不明瞭なため、確証の持てる数値ではないが、、、)

 

インターネットの出現で

世界が大きく変わった(変わったように感じている)のは事実だが

上記の数値を信じ、ドライに考えると、たった「7%」でしかない。

 

逆な見方をすると、たった7%であっても、

こんなにも人々の中で、インパクトを与えるものだともいえる。

 

今後、AIの発達で、残り93%も含め、

あらゆる産業が様変わりしていく時代に突入していくと思うと

すごくわくわくする。

 

 

そんな中、以下の本の中では、

 

・新しいパラダイムの発明は、ほとんど非常に若い人か、

 新しく入ってきた新人か、どちらかである。

 世代交代だけが、世の中を変える。

・新しいパラダイムは初めの段階では、非常にぎこちないものである。

 

科学革命の構造

科学革命の構造

 

 

 「30代半ばの私達に何ができるのだろうか?」

 

非常に若い人ではないだろう。

そうなると、「新しく入ってきた新人」を目指すべきではないだろうか。

(例えば、体系的に学んではいない、社会人経験のみの私達が

 カウンセリングを始めてしまうとか、政治家に立候補するとか

 ラーメン屋OPENさせてみるとか・・・)

 

そういった視点で「夢を売る方法」を考え、

自分の夢へ向かっていきたいと思う。

 

 

傾聴/カウンセリングについて

私は「傾聴」「カウンセリング」について、今、良い印象を持っていない。

 

正確には、元々 学生時代にはカウンセリングに興味があり、

C.R.ロジャースの理論、傾聴についても本を読んでいたこともある。

経済学を単位は落としたが、

他学部の「心理学」の講義をこっそり出席して聞いていたこともあるくらいだ。

 

On Becoming a Person

On Becoming a Person

  • 作者:Rogers, Carl
  • 発売日: 2003/04/20
  • メディア: ペーパーバック
 
プロカウンセラーの聞く技術

プロカウンセラーの聞く技術

  • 作者:東山 紘久
  • 発売日: 2000/09/01
  • メディア: 単行本
 

「受容」「共感」「傾聴」などの重要さは理解できるし、

日常生活、社会人生活を送る上では大切なことだと思う。

 

それでも、良い印象がない。

正確には、「傾聴」および「カウンセリング(カウンセラー)」に良い印象がない。

 

もちろん、学術的な心理学、カウンセリングを否定したいなどと大それたことを

考えている、意見したいわけではない。

 

私がそう思う理由は、

単純な話、社会人になって以降、「友人」と「私」のたった2回のケースでしかないが

傾聴、カウンセリングで救われなかったからである。

目前の状況を心理的な内面においても、対外的な環境においても

状況が改善しなかった。(むしろ悪化してしまった・・・)

 

もちろん、カウンセラーの方の落ち度があったわけではないと思う。

話をよく聴いてもらえた。

 

 

しかしながら、事実、状況がよくならなかった。

傾聴、カウンセリングだって、万能ではないし、即効性があるとは限らないのは

もちろんわかっているつもりではいたが。

 

では、現実には、私達はどうなったのか。

 

少なくとも、「私」について、助けとなったのは

・・・・・・

矛盾しているかもしれないが、やはり「傾聴」だったかと思う。

 

但し、それはカウンセラーの傾聴ではなかったが。

傾聴し、私の内面や環境を力づくで改善してくれた人がそばにいてくれた。

本当に、本当に、ありがたいことだが。

 

そういった経験から、私の現時点の結論は

どのようによりも、「誰が」に重きを置いている。

 

そういった考え方のもと、「夢を売る方法」を考えることに

すごく、難しさ・自己矛盾を感じてしまっている。

 

理由は私の考えでは、夢を売る方法は

誰が売るか次第となってしまう。(方法論の確立は勿論だが、1番は誰が売るのか)

 

だからこそ、壮大な「人づくり」をしていくことを考えるべきなのか・・・

悩みは尽きないので、大好きな以下の本を読み返そうと思う。

 

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

  • 作者:姜 尚中
  • 発売日: 2008/05/16
  • メディア: 新書
 

 

 

 

 

 

 

ラーメン二郎はサステナブルか(偏ったジロリアンによる偏った分析にて)

にんじんまんです。

 

ラーメン二郎
もはやロマンの塊。
魅力の塊。
奇跡の中毒性をもつ食べ物。

二郎は、ラーメンではなく二郎という食べ物だ


と言われるほど独自のファンを日本全国に持ち、熱狂的ファンで常に行列の絶えないお店。
それがラーメン二郎だ。

 

ja.wikipedia.org

 

二郎に通う人を通称ジロリアンと呼ぶ。
かくいう私もジロリアンだ。

さて今日は巷で少しずつ流行ってきている「サステナブル」という言葉と二郎の関係を考えてみたい。(真剣に)

サステナブルと聞いてピンとくる人はそこそこいるだろうか。

2015年に国連で採択されたSDGsエスディージーズ)を聞いたことがある人も多いだろうが、
このSDGsのSがまさにサステナビリティである。(SDGsはSustainable Development Goalsの略)
 

www.un.org

形容詞がSustainable(サステナブル
名詞がSustainability(サステナビリティ

である。

サステナビリティを日本語に訳すと持続可能性」であり、
環境面で、社会面で、経済面でバランスが取れているか・持続可能であると言えるか・いずれかに偏りすぎていないか、とでも考えると問題ないだろう。

いまいちピンとこない場合は、

環境面で
=環境によいか、または環境への負荷を軽減させる試みができているか


社会面で
=ちゃんと健康に働けるよう配慮をしているか、人権に配慮しているか

経済面で
=売り上げをちゃんとあげられるビジネスモデルか、モデルだけではなく実際にそうなっているか


とここでは表現してみたい。 
もちろんそれだけではないのだが、
いろいろ考え出すと難しくなってもういいや

となるのでここではわかりやすい事例だけを出して対象を限定してみることで
まずは納得してみることを大切にしたい。

 

今やサステナビリティは、世界全体であらゆるプレーヤーが関わっていく必要性のある重要な課題であり、生き残りに関わる最重要な視点・ソリューションでもある。


さて本題に入ろう。

ラーメン二郎サステナブル
を考えてみたい。

上記ワードを踏まえて考えると
要は

ラーメン二郎が存在することで

  • 環境がよくなるか
  • 健康な人が増えるか
  • ちゃんとお金が回るようになるか

という捉え方をしてみたい。

何度も言うが、
上記3つはサステナブルのあくまで1例であり、
実際のところはもっとずっと広い。

しかしもっとちゃんと分析したものは改めて別で書いてみたいと思っており、
ここでは入門編ということでサステナブルの対象を限定してみる。


ラーメン二郎があることで環境がよくなるか

うーむ。
よくなるという表現が良くないと自分で感じる。
環境がよくなる、ではなく
環境のことをしっかり考えてお店をやっている

としてみようか。

するとどうだろう?
ラーメン二郎は環境のことをしっかり考えながらお店をやっているだろうか。

少なくとも数年前まではラーメン二郎というと
とにかく無愛想で遠慮なく大盛りを出し、
残すのがそこまで珍しくなかった気がする
(実態と違っていたらごめんなさい!)

今はというと、
注目をどんどん浴びるようになってからは、
様々なメディアで二郎の量が凄いことをみんな認識するようになり、
前もって「麺少なめで!」「麺半分で!」

と注文する人も増えている気がする。(あくまで主観的なものです)


実際、ラーメン二郎ひばりヶ丘店などでは、
「麺少なめ」というメニューで注文ができるようになった。

ちなみに、ラーメン二郎ひばりヶ丘店はとてもうまい。

 

tabelog.com


そう考えると
二郎は少なくとも「以前よりは」
環境によいお店になっていると考えられはしないだろうか。

つまりは
ラーメン二郎サステナブルである
とひとまず環境面では言いたい。(批判はあるだろうがひとまずの解釈ということでお許しを)

続く。

夢を売る方法の考察:「世界観」&「順次戦略」と「累積戦略」

※仲間内の勉強会用のネタを記事として投稿しています。

投稿者:Pokota

 

 我々、庶民は、コロナ禍の中でも、生きるためにお金を稼がなければならない。組織や顧客に対して、何かしらのモノ・サービスの提供することによって、毎日を食いつないでいかなければならない。こんな時代でも、こ.んな時代だからこそ、どうせ売るなら夢を売りたい。今回突然思い立って、ビジネスにおいて、「夢を売る方法」について考察してみた。

 

 一度、ここまでのお話をまとめたい。普通のモノを売るビジネスというのは、あえて単純に言えば、物理的な商品、例えばJ-POPのCDを仕入れて売って、お金に換える行為である。物理的世界ではポリカーボネートという材質に過ぎないが、CDには音楽という情報が書き込まれていて、それを聞いた人間は心を動かされる。それをヒントに、知性的世界や心理的世界に夢のようなものが存在するのではないかと考えてみた。

 サピエンス全史の上巻からは、人間の脳というハードウエアには、虚構を作り出す能力、伝える能力、信じる(信じさせる)の能力が備わっていることを学んだ。夢=虚構だと考えると、夢とは作り話のようなもので、しかし人々の心に作用して、セルフコンフィデンスやモチベーション向上をもたらすものではないかと考えた。

 カウンセリング理論からは、人間の心理的世界から夢を引き出す方法のヒントについて学んだ。人間の夢は、自我状態のなかのFC(自由な子供)に埋まっているものではないかと考えた。夢を引き出すためには、傾聴など話を聞くための基本的姿勢、その人の人生哲学を知る必要があることが分かった。 

 

f:id:keiosotsu:20200505085216j:plain

 ここでは、物理的な商品・サービスについて、「夢を売る方法」を上図にまとめた。まず初めに、自社で取り扱う商品・サービスがある。

 マーケティング学問の世界では語りつくされたことではあるが、なぜ顧客はモノやサービスを購入するのか? 第1に、その商品・サービスの物理的な特性にベネフィットを感じて顧客は購入するはずである。特に、コモディティー化した商品、100円ショップの雑貨のようなものを購入するとき、誰が売るかとか、その商品の背後にどのようなストーリーがあるかなどは、あまり重要ではない。

 しかし、少し高級な商品・サービスとなると話が変わってくる。1本1,500円のワインと15万円のワインでは売り方が変わってくる。仮に我々、庶民の舌では味の違いが分からなかったとしても、ブドウの産地がフランスの有名な畑であったり、超有名なシャトーで作られていたり、世界的な賞を取ったり、年代物だったりすると、値段が100倍くらいになるのだ。

 それぞれのワインのブドウをDNA検査すれば、99.99...%同じブドウという結果が出るだろう。アルコールの成分を実験室で分析すれば、化学的には全く同じアルコールである。商品のサプライチェーンの経路は少し違うかもしれないが、商品を手に持った消費者にとっては、99.99...%、物理的には同じワインである。余談ではあるが、昔、会社の宴会の余興として、ワインの飲み比べ大会を主催したことがあった。千円ワインと、2万円程度の価格差のワインを出題したが、ほとんど誰も安ワインと高級ワインを区別できなかった。

 ワインの場合は、原材料がどこから調達され、どこで製造されて、どのように保管され運ばれてきたかという、サプライチェーンについての情報が、どうやら付加価値となるらしい。他にも、無農薬の野菜を例にあげると、生産者の農家が何度も破産しながら、苦労して作った野菜の方が、なぜか価値を感じる。本当は、破産していない農家の方が経営が上手いはずなので、そちらの商品の方が品質がよさそうだが…。

 いずれにせよ、そのようなストーリーが商品の価値を向上させる。(仮に、ストーリーが嘘であったも、お客さんが信じていれば高く売れる。例えば、メイドイン・スイスの高級時計は、パーツ単位で見ると、ほぼ中国製らしい)

 さらに、金額が上がって、マイカーやマイホームとなると、一生に数回の買い物となるので、このストーリーの重要性が増す。もちろん車や家は、通勤や子供の通学、親が近くに住んでいるかどうかなど、もちろん物理的な条件も大きい(これについては家庭のロジスティクスというテーマでブログを書きたい)。

 同時に、この物理的な存在である車や家が、家族生活というストーリーにおいて、重要な舞台装置、場合によっては登場人物とさえなる。毎週末、愛する妻と子供と愛犬をつれて、このマイカーで郊外のイオンモールに行く。イオンモールで買ってきた食材で楽しくマイホームで夕飯時を過ごす。単にお父さんは、車や家を買うのではなく、家族と過ごす夢を買っているのだと思う。その時の感情は、「うれしい」とか「楽しい」とか、ウキウキとかワクワクといったものだろう。交流分析におけるFC(自由な子供)が引き出されている状態である。

 売る側も、単に商品・サービスの物理的な特性を説明するだけではなく、顧客にストーリーを語り、FC(自由な子供)を引き出す手助けをしなければならない。そのためにも、売る側は、そのストーリーの舞台である確固たる『世界観』を持っていないといけない。「夢を売る」我々が一体どういう存在であり、誰に、何のために「夢を売る」かについての、舞台設定・脚本(世界観)の設定を初めに決めなければならない。

 

<参考文献>

世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう

世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう

  • 作者:奥山真司
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  今回、参考文献として紹介したいのが、奥山真司氏の『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』である。この本から、「世界観」について学びたい。

 

 この本から、もう一つ学びたいキーワードがある。それが、「順次戦略」と「累積戦略」だ。私も新卒の時に営業研修を受けたことがある。傾聴しろだとか、モノを売るのではなく、顧客の問題解決をしろだとか、そのような話を長時間、座学で聞かさせれた。しかし、新人が、あるべき営業理論を聞いて、現場に入って次の日から、活躍できるかというと、そういう話はあまり聞かない。やはり新人営業マンとベテラン営業マンには、理論にはない何かがあるようだ(経験?)。

 新入社員の時に、これを教えて欲しかったという内容が「順次戦略」と「累積戦略」の違いである。厳密な定義は、本で読んでほしいのだが、「順次戦略」とは、私の理解で言えば、業務マニュアルや営業研修で習うようなステップ別に分解された方法論である。会社で偉い人が作る中期経営計画や年間予算やアクションプランのように、上意下達される命令も「順次戦略」の仲間だと思う。

 では、マニュアルや中期計画やアクションプランに何がないかというと、達成する予定のステップだけ書いてあって、具体的に現場の人間が何をやればいいかが全く書いてないことである。新入社員の時に、予算と、どの顧客を攻めるというアクションプランだけ上司から示されて、さっぱり何をしていいか分からず困惑したことを思い出した。短い営業経験だったが、やはり研修で学んだ「順次戦略」を実行するには、目に見えにくい「累積戦略」が大事だと学んだ。

 本の中では、陰徳を積むことの重要性が説かれている。単に訪問件数を増やすという根性論(雨垂れ石を穿つ)や、色々な方法をとにかくためす(数打てば当たる)ことも一つだろう。人に見えないところで努力や善行をコツコツ行う(陰徳を積む)。すると、突然、ある日認めてくれる人が出てくる。このような理屈は、営業研修では、あまり教えてくれない。営業に限らず、仕事全般で役に立つ話だと思った。

 

今回の我々の勉強会では、より詳しく以下の音声教材で勉強したい。

 

www.realist.jp

 

(おわり)

夢の見つけ方&人生哲学が人生をダメにする理由

※仲間内の勉強会用のネタを記事として投稿しています。

 投稿者:Pokota

 

 我々、庶民は、コロナ禍の中でも、生きるためにお金を稼がなければならない。組織や顧客に対して、何かしらのモノ・サービスの提供することによって、毎日を食いつないでいかなければならない。こんな時代でも、こんな時代だからこそ、どうせ売るなら夢を売りたい。今回突然思い立って、ビジネスにおいて、「夢を売る方法」について考察してみた。

 

 前回は、夢は虚構であるという身も蓋もない話をした。今回3回目は、顧客などの相手を想定して、夢を掘り起こす方法について、心理学をヒントに考えたい。

 20代の中頃、カウンセラーを目指して心理学の勉強をした。産業カウンセラー交流分析士、REBT心理士な、アドラー心理学ヒプノセラピーアサーション、アンガーマネジメントなどを勉強した。結局、カウンセラーにはならずに、現在も全く関係のない仕事をしている。

 今回のお題であるビジネスにおいて、「夢を売る方法」について、何か役に立つ情報がないかと思い、ビジネスは関係なく、カウンセリング心理学的に夢を見けるのに役に立つのではと思った方法について紹介したい。

 

※実際に勉強したのは10年近く前のことで、当時のテキストも見つからないため、記憶を頼りに説明しているので、厳密には正しくない点が含まれていることを、あらかじめご容赦いただきたい。

 

 

<参考動画>カウンセリングの入り口、傾聴の学習


「傾聴」の学習

 

 接客も、営業も、カウンセリングも、顧客/クライアントの悩みの解決(問題解決)の仕事である。しかし、いきなり問題解決しますよ相手の心の門を叩いても、大抵の場合、相手にはしてもらえない。飛び込みの営業をしたことがあればわかるが、どこの誰と分からない相手に、いきなり悩みを相談する人はいない。まず、初めに玄関を開けてもらうための作法が必要である。それが傾聴である。

 傾聴とは、話の聞き方のテクニックという捉え方ができる。上の参考動画にも出てきた通り「受容」と「共感」というキーワードにある通り、話し手の言うことを評価や批判をせずに受け入れる、話し手の気持ちを自分の気持ちのように感じながら聞くというということが重要になる。これだけなら簡単そうに感じるかもしれないが、産業カウンセラーの講座では半年かけて訓練を行う内容であり非常に奥深い。

 訓練は受講生同士、ペアを組んで、話し手役、聞き手役に分かれて行う。私の経験の話であるが、傾聴が上手くいくと、時々、話し手役が泣き出すことがある。なお、傾聴の訓練では、自分の意見を話したり、助言をすることは禁止されている。ただ、話を聞いてもらうだけでも、話しているうちに自分の問題がクリアになったり、カタルシス効果があるなど、傾聴だけで十分カウンセリングが成立するほどのパワーがある。

 学校の先生や親から、いきなり「お前の夢は何か?」と聞いても、子供は正直に答えないだろう。それは、学校の先生や親が、ある意味信頼されておらず、どうせ話を聞いてもらえなかったり説教されることを恐れて心を閉ざしている状態である。相手に、話してもいいんだと、心理的な安全性を確保し、ラポールといわれる状況が確立して初めて、夢を話してもらえる。

 

<参考動画>ABC理論について


【ABC理論】ネガティブ思考から逃れる方法

 

<参考リンク>

技法について-REBTの感情へのアプローチ- | 日本人生哲学感情心理学会

 

 次に紹介する論理療法は、認知の歪みを論理的な説得によって修正する技法である。簡単に説明すると上の動画のABC理論のようになる。ABC理論における、Aは出来事(Activating Event)、Bは考え方(Belief)、Cは結果(Concequence)を意味している。同じ、A.出来事であっても、人によってB.考え方が違うので、それによって湧き上がる感情、その感情の結果としての行動(C.結果)が変わってくるという理論である。

 同じ出来事でも、人によって、もっている考え方によって、感じ方やリアクションが全然違ってくるのだ。例えば、先生が、生徒Aと生徒Bを成績が優秀だったので褒めたとする。生徒Aは普通に、褒められたことを喜び、さらに勉学に励んだ。しかし、生徒Bは、目立つことは良くないことだと考えていたので、恥ずかしいと感じてしまい、以後のテストではわざと手を抜くようになってしまう。

 考え方(Belief)は、ある物事が好きか嫌いかという浅い問題から、人生をどう生きるか、人生をどう生きたいかについての人生哲学に関わる深い部分まで関わっている。好きか嫌いかというレベルであれば、それでも人の考え方を変えるのは難しいことがわかるが、まだ説得の余地がありそうな気がする。

 人生哲学のような性格の根っこのレベルは、本人すら気付いていないもので、そのような考え方を、他人が変えることは非常に難しい。とはいえ、この無意識に持っている人生哲学が人生に与える影響は大きい。無意識に持っている人生哲学に基づいて行った日々の判断の積み重ねが、その人の人生そのものになる。ネガティブな人生哲学が人生そのものをダメにすることもある。

 例えば、先生が生徒に対して、「お前の夢は何か?」と聞いたとする。ポジティブな人生哲学を持っているAさんからは、おそらく、前向きで聞いているだけでもワクワクするような夢が出てくるだろう。一方でネガティブな、人生哲学を持っているBさんからは、「別に夢なんかない」といった回答か、かなり控えめで消極的な夢が出てくるだろう。長い期間でAさんとBさんの人生には大きな差が出る。建設的な夢を持ってもらうためには、その人の人生哲学をポジティブなものに変えていく必要がある。

 

<参考動画>エゴグラムについて
交流分析エゴグラム NPO日本次世代育成支援協会 鷲津秀樹

 

 されに、交流分析という手法についても共有した。講座を受講して何か月かにわたって勉強した内容なので、全ての内容を簡潔に説明することは非常に難しい。上の動画では、交流分析の理論で、一番有名なエゴグラムという心理テストに、トライできるのでチャレンジしてほしい。交流分析とは簡単に言えば、ここにでてくる5つの自我状態をベースに、個人の感情の分析や、コミュニケーションの分析ができる理論である。

 5つの自我状態とは、養育的な親(NP:NurturingParent)、規範的な親(CP:CriticalParent)、大人(A:Adult)、自由な子供(FC:FreeChild/NaturalChild)(自然奔放)、従順な子供(AC:AdaptedChild)のことを指す。NPとCPというのは、簡単に言ってしまえば、親や他人に埋め込まれた価値観により作られた自我状態である。一方で、FCやACは、幼少期の経験を基に作り上げた自我状態である。Aというのは、親や他人の価値観でもなく、子供染みた考えでもなく、今ここで合理的・論理的に考えている状態。

 夢の話に戻ると、あなたの夢は何ですかと聞かれたときに、どの自我状態で夢を考えているかが重要だと思う。それは、親や他人に埋め込まれた夢だろうか? それとも子供のころの自分が考えた夢だろうか? 私は自由な子供(FC:FreeChild/NaturalChild)の意見が重要ではないかと思う。自由な子供(FC)には、うれしい、楽しい、ワクワクといった人間が生まれながらに持つポジティブな感情が詰まっている。

 クライアントの中の子供の自我状態にコンタクトする方法としては、ヒプノセラピーなどの手法があるが、まずはコミュニケーションを通じて相手の自由な子供(FC)を引き出すことを心がけることが定石だろう。

 

 以上のように、カウンセリング理論を通じて、主に相手(クライアント/顧客)の夢を見つける方法について考えてみた。まず、傾聴により、相手の話をよく聞き、こころを開いてもらう。さらに話を聞き相手の考え方(Belief)がどのようなものであるかを知る。建設的な夢を持ってもらうためには、人生哲学をポジティブなものに変えていく必要がある。

 自由な子供(FC)の自我状態に働きかけ、親や他人に埋め込まれた夢ではなく、本人がうれしい、楽しい、ワクワクといった人間が生まれながらに持つポジティブな感情から出た夢を話してもらう必要がある。

 

 次回は、これまでの話をまとめて、ビジネスにおいて、「夢を売る方法」について考察してみたい。

 

(つづく)

人間は嘘で動く!虚構、プロパガンダ、夢

※仲間内の勉強会用のネタを記事として投稿しています。

 投稿者:Pokota

 

 我々、庶民は、コロナ禍の中でも、生きるためにお金を稼がなければならない。組織や顧客に対して、何かしらのモノ・サービスの提供することによって、毎日を食いつないでいかなければならない。こんな時代でも、こんな時代だからこそ、どうせ売るなら夢を売りたい。今回突然思い立って、ビジネスにおいて、「夢を売る方法」について考察してみた。

 

 今回、第2回目となるが、ここでは人類がなぜ夢という虚構を信じる性質を持つのかについて、人類の進化の歴史から考えていきたい。ここでは、ユヴァル・ノア・ハラリ 氏の『サピエンス全史(上巻)』と、その解説動画などを参考とした(ページ下部にリンクを記載した)。

 

 まず前回紹介した3つの世界論を使って人間(ホモサピエンス)とは何かについて考えてみる。よく、人間のDNAは50%バナナと同じ、99%チンパンジーと同じらしい(異論もある)と言われる。DNA(設計図)レベルを基準に考えると、物理的な世界においては、チンパンジーと人間は、多少腕が長さが違うとか、腕毛が濃さが違うなどあるかもしれないが、ハードウェアとしては大差ないということになる。素材で考えても、分解すれば、炭素やカルシウムや水など成分も同じである。人間にしか使用されていない、貴金属など存在しない。

 ではチンパンジーやサルたちと、人類の違いは何かだろうか? 一般に、「直立二足歩行」、「道具が使える」、「火が使える」、「言語が使える」という能力の違いが挙げられる。例えば、同じ冷蔵庫というジャンルでも、単に冷やすだけのものから、チルド冷凍できたり、AIスピーカーが付いていたり機能が違うものがある。我々は、それらの機能を持って、我々、ホモサピエンスが地球上でユニークな存在だと考える。

 しかし、実は人類には、現在生き残っているホモサピエンス以外にも、いくつかの種族が存在したらしい。有名なところで、ホモ・ハビリスホモ・エレクトス 、ハイデルベルグ人、ネアンデルタール人などがいた。実は、彼らも「直立二足歩行」、「道具が使える」、「火が使える」、「言語が使える」という能力は持っていたそうだ。

 では何故ホモサピエンスだけが、他の人類を圧倒し、生き残ったのか? その要因が認知革命にあると言われる。言葉を構造化することによって、噂話や虚構(嘘)を扱えるようになったのだ。我々には守護神がいる、我々は神に守られているという虚構によって、他の人類にはなかった大きな人数の群れをまとめることができるようになった。

 この虚構によってホモサピエンスは実力以上の力を出せるようになったのだ。「我々は守護神に選ばれた者である。この戦いに勝てば、地上より素晴らしい場所に生まれ変われる」などという虚構を作り出す能力、伝える能力、信じるの能力があったので、ネアンデルタール人に勝てたらしい。

 

 この性質は、当然、現代人にも受け継がれている。事実は別にして、自分が特別に選ばれた人間で、努力をすれば成功を約束されていると本気で信じている人間は強い。明確な目標(夢)と、達成へのモチベーションを持っている人は、目標(夢)を持っていない人よりも、やはり強い。3つの世界論を使って説明すると、目標(夢)という虚構(知性的世界)が、人間のモチベーション(心理的世界)に働きかけ、結果、目標達成という目に見える形で物理的な世界に現れるということだろう。

 虚構を作り出す能力、伝える能力、信じる(信じさせる)の能力というのは、人間に備わった非常に根源的な能力であり最も強力なものである。今回の我々の勉強会では、サピエンス前史の知識を前提しつつ、応用編として、虚構を作り出す能力、伝える能力、信じる(信じさせる)の能力について、下記の教材を使って勉強したい。

 

奥山真司氏『プロパカンダ&セルフプロパカンダ』

http://www.realist.jp/propaganda.html

 

 副題は、「欧米人のように日本人が自分を売り込むメソッド」となっており、「夢を売る方法」とは、一見関係がないように見えるかもしれない。さらに、奥山真司氏は、リアリズムと戦略論の専門家なので、我々の「夢を売る」という当初のポジティブなものから、少々血生臭い内容とはなっている。しかし、虚構を作り出す能力、伝える能力、信じる(信じさせる)の能力について扱った他にない教材なので、ぜひ、深くエッセンスを学び、世の中を善くするために使いたい。

 

 次の投稿では、「人生哲学が人生を滅ぼす」と題して、カウンセリング心理学からヒントを得て、悩んでいる人に夢を持たせる方法ついて考察してみたい。

 

(つづく) 

 

 <参考書籍>

  <参考動画>


岡田斗司夫ゼミ#227(2018.4)灯台下暗し! ぼくらは何者なのか? 文明の構造とは? 人類の幸福とは? 特集・サピエンス全史

 


【サピエンス全史①】〜1200万部突破の世界的ベストセラーを世界一わかりやすく解説〜


【サピエンス全史②】〜貨幣も国家も宗教もこの世界は全てフィクションである〜