どうせ売るなら夢を売りたい
※仲間内の勉強会用のネタを記事として投稿しています。
投稿者:Pokota
先日、タイトルは忘れてしまったが、アフターコロナ後に、「どのような仕事がなくなり、どのような仕事が残るのか」について考察をされている動画を、YOUTUBEで見た。
今後は人々の生活が苦しくなるため、モノやサービスは今以上に売れなくなる。コロナで新たに生まれたり無くなる仕事が発生する。そんな、アフターコロナの世界で生き残る仕事の条件を、投稿者の方が、いくつか挙げられいた。
その中で、特に「夢を売る」キーワード心に響いたものが。アフターコロナの世界であっても、「夢を売る」仕事は無くならないとのことだ。戦後の焼け野原からも夢があるから復興できた。どんなに先の見えない時代であっても、夢があれば生きていけるから、夢の需要は決して無くならないとのことだ。
我々、庶民は、コロナ関係なく生きるためにお金を稼がなければならない。組織や顧客に対して、何かしらのモノ・サービスの提供することによって、毎日を食いつないでいかなければならない。どうせ売るなら夢を売りたい。今回突然思い立って、ビジネスにおいて、「夢を売る方法」について考察してみた。
<参考文献>
今回、ビジネスにおいて、「夢を売る方法」を考えるにあたり、慶大 菊澤研宗先生のブログと著書『戦略学―立体的戦略の原理』を参考にした(是非、勉強会メンバーにも、この本を紹介したい)。
・菊澤先生のブログ(菊澤研宗のブログ ダブルKのブログ)
『戦略学―立体的戦略の原理』では、多元的世界観を前提とする多元的アプローチとしてキュービック・グランド・ストラテジーを提案している。それは、カール・ポパーの3つの世界論に基づき、世界を以下のように三つに区別する。
>(1)物理的世界 われわれの五感でその存在を認識できる世界、体、物、物質、におい、色など
>(2)心理的世界 心の世界
>(3)知性的世界 われわれ人間の知性によってその存在が認識できる世界、たとえば本の内容、理論の内容、権利、制度、法律、など。インターネットの世界なども。
これら三つの世界を前提にして、三つの世界に対して立体的にアプローチすることが勝利のカギになるという考えである。この戦略論により、菊澤先生は、AKB商法を以下の様に分析されている。
>(3)AKB48の戦略は、知性的世界に対してyou tubeを利用してただで映像や歌を流す。そして、多くのファンを作る。
>(2)その結果として、心理的に実物に会いたい、実物と話をしたい、握手したいという心理になる。
>(1)最後に、CDの付録として、握手権やポスターなど付録をつける。このとき、付録は物理的世界に関係するものに限る。
>つまり、最初から、楽曲を売ろうとは思っていないのだ。それは、ガムやお菓子はどうでもよく、おまけがほしくて購入する駄菓子と同じロジックだ。主役が主役ではなく、脇役が実は主役である商品なのだ。
>顧客も、CDの入った曲を購入しているのではないのだ。その付録としてついている、実物との握手する権利、話せる権利といったどちらかといえば物理的世界の商品を購入しているのである。
この事例が、ビジネスにおいて、「夢を売る」についてのヒントになると思った。もちろん、そもそもアイドルは夢を売る職業とも言われる。しかし、夢とは無縁な、普通にモノ・サービスの提供に勤しむものにも、何かヒントはないだろうか?
普通のモノを売るビジネスというのは、あえて単純に言えば、物理的な商品、例えばAKBのCD自体を作って(小売なら仕入れて)、それをお金に換える行為である。一方で、「夢」というのは、心理的世界や知性的世界に属するものなのではないかと考えた。
もし、我々が日常の業務で提供するモノやサービスに、「夢」を付加することができれば、それって素敵なことではないだろうか? それによって顧客満足が向上し、売上が上がり、年収が上がれば、みんなハッピーなはずである。
次の投稿では、「夢」について、ユヴァル・ノア・ハラリ 氏の『サピエンス全史』からヒントを得て考察したいと思います。
(つづく)